デジタル・マーケティングが当たり前になると同時に、マーケティングテクノロジーが多様化・複雑化している。その中で、企業はマーケティング・テクノロジー・スタック(注:マーケティングに関連して導入しているソフトウェアやツールの組み合わせの事)を導入する中で、少しでも早くTime to Value(TTV)(注:成果を感じるまでの時間)を短縮するように大きなプレッシャーを受けている。この目標を達成するためには、従来の技術スタックや長期契約で固定された技術スタックでは難しい場合がある。そこで注目されているのが、コンポーザブル・テクノロジースタック・アプローチであり、そこでキーワードになっているのが、「アジリティ」、動き出しの素早さである。ここでは、コンポーザブル・テクノロジースタックの仕組みとメリットについて詳しく見ていきたい。

コンポーザブル・アプローチとは?

コンポーザブル・アプローチは、複雑な問題をより小さなパーツに分解することで、Time to Value (TTV) 達成までのプロセスをよりシンプルにしていく。これにより、マーケティング担当者は、自社のマーケティングプラットフォーム全体をすべてを1つの大きな問題として取り組むのではなく、個々の問題の解決に集中することができます。複雑なタスクをより小さな要素に分解することで、マーケティング担当者は、ニーズに合わせたさまざまなレベルのパーソナライゼーション、データ接続、カスタマージャーニーの自動化を実現することができる。

ブランドはどのようにTime To Valueを得ることができるのか?

コンポーザブル・アプローチを採用する場合、マーケティング担当者は、各コンポーネントが互いにシームレスに通信できるようにする必要がある。これにより、さまざまなデータベースやプラットフォームからデータに簡単にアクセスできるようになり、パーソナライゼーションやカスタマージャーニーの編成に利用できるようになる。これにより、顧客はすべてのチャネルで一貫した体験を得ることができ、マーケティング担当者は、自社で変更を実施する前に、見逃していた可能性のある問題や機会を迅速に特定することができるようになる。

チームの生産性を高めるには?

コンポーザブル・テックスタックを使用するもう一つの利点は、チームの生産性を向上させることだ。複雑なタスクをより小さな要素に分解することで、マーケティング担当者は、時間を節約して効率を高めるために、プロセスを自動化したり、手作業を合理化できる領域を容易に特定することができるようになる。さらに、さまざまなソースからのデータにアクセスできるため、マーケティング担当者はより良い判断を迅速に下すことができ、イノベーションと市場対応という点で、競合他社に先行すると同時に、長期的には時間とコストの節約にもつながっていく。

まとめ

コンポーザブル・テックスタックは、価値実現までの時間の短縮、パーソナライズのレベルアップ、データ接続能力の向上、カスタマージャーニーのオーケストレーション能力の向上、チームの生産性の向上など、多くのメリットを企業にもたらし、これらはすべてコンバージョンと顧客生涯価値の長期的増加に寄与する。したがって、今日の競争の激しいデジタル環境で優位に立ちたいのであれば、企業はこの種のテクノロジーの導入を検討する必要がある。